スイングジャーナル2007年4月号
コンサート・レビュー

光(フォトン)&XUXU with コントラバス
ラストのスリリングな共演でステージは最高潮に

2007,2,2(金)東京・六本木“STB 139”

 心境著しい光は、半年前に見た“クラブ・イクスピアリ”でのステージに比べても安定感が増し、ドラマチックな展開に磨きがかかる。テクニック面 で新しい驚きを感じるのは成長過程である彼らの若さによるものかもしれないが、「巧いなあ」という印象が「凄いなあ、いいなあ」に変わってきた。伊賀の『オブリビオン』のイントロでの切なく響くピアノや『運命』でのドラム・ソロなど多くの聴き所があるけれど、ユニットとしてもこのままの疾走感を維持してほしい。『夜想曲第2番』は頭からエンディングまでのアレンジの妙が冴える。慈しむような優しいテーマに、後半のドライブ感のあるスリリングな緊張感。幾度となく心を動かされる木村(b) のビロードの手触りのアルコや、アイリッシュなバイオリンなど、多くのカラーで爽やかな満足感を与えてくれる。
 後半はXUXUに川本(b) が加わった新しいユニットによる新作『アカペラ協奏曲第1番作品23』の発表記念ライブ。チャイコフスキーの『ピアノ協奏曲』モーツァルト等の大定番からフランス近代曲までクラシックの名曲がテーマ。強力なビートで引っ張る川本の参加によって、今まで「自由な存在であるXUXU」との思いを覆されるほど、さらに大きく奔放に羽ばたいている。聴きやすいのはもちろん、よりスインギーな楽しさが増している。クラシックをテーマに使ったジャズ・アレンジは数多いが、それらと異なるのは、今までのXUXUの独自の(即興主体ではない)“ジャズ的な味付け”をより前面 に押し出した、伊賀のアレンジの力量によるものが大きい。ソロ・ワークにおける川本もすばらしい。他のジャズ・ユニットならベーシストはもう少し自由に動きたいのかもしれないけれど、緻密で繊細なXUXUの魅力をより生き生きと伝える、シンプルで大胆、巧いアレンジだ。ラストで期待していた光とXUXUの共演が実現。クラシカルな弦楽三重奏からファンクなリズムに移り、木村のピチカート・ソロやXUXUのスキャット等、多くのスリリングな見せ場で最高潮に達した。
(文・写真:常見登志夫)

←XUXUトピックスTOPへ戻る